プラスチックの材質概要
4-1.熱硬化性プラスチック
PF-フェノール樹脂
フェノール樹脂は1909年にL.H.Baekland(米)によって発明された歴史的に最も古いプラスチックです。耐熱耐久性が良好で、電気絶縁性に優れています。
UF-ユリア樹脂
ユリア樹脂は着色自由で表面硬度が高く、有機溶剤に不溶なことから油性のフェルトペンのキャップなどに使用されています。また、耐トラッキング性や耐炎性に優れていることから、高度の電気安全性を要する配線器具に用いられています。
MF-メラミン樹脂
メラミン樹脂は着色自由で表面硬度が高く、耐水性が優れていることなどから、食器に多用されています。また、耐トラッキング性・耐炎性・耐熱性にも優れていることから、高度の電気安全性を要するスイッチのハウジングなどに用いられています。
UP-不飽和ポリエステル樹脂
不飽和ポリエステル樹脂は常温で透明な硬化物を得ることができ、塗料・注型・ボタンの製造に利用されています。またガラス繊維などの補強材と組み合わせガラス繊維強化プラスチック(FRP)として波板・ボード・浴槽・浄化槽・自動車部品・電気部品・ヘルメットからマネキンや各種スポーツ用品に至るまで広範囲に使用されています。
EP-エポキシ樹脂
エポキシ樹脂とは1つの分子中に2つ以上のエポキシ基を有する化合物を指します。硬化剤や充填剤を組み合わせ、常温ないし加熱することにより様々な特性を有する硬化樹脂を得ることができます。主な用途は塗料や接着剤のほか、航空機の構造材や半導体の封止樹脂など日常材料から先端材料まで幅広く使用されています。
4-2.熱可塑性プラスチック
PE-ポリエチレン
PE(ポリエチレン)は結晶性の代表的な汎用プラスチックのひとつです。バランスのとれた機械的物性、優れた成型性を示し、幅広い分野で使用されています。乳白色不透明または半透明のロウ状であり、高密度ポリエチレン(HDPE)と低密度ポリエチレン(LDPE)に大別されます。
PP-ポリプロピレン
PP(ポリプロピレン)は結晶性の代表的な汎用プラスチックです。比重が0.9と汎用プラスチック中最も軽く、耐薬品性、耐加水分解性、電気的特性にも優れ、応用範囲の広いプラスチックとして幅広い分野で用いられています。最近では、ダイオキシン発生で問題になっているPVC(ポリ塩化ビニル)の代替材としてもよく用いられています。
PVC-ポリ塩化ビニル
PVC(ポリ塩化ビニル)は非晶性の汎用プラスチックです。優れた機械特性、耐薬品性、難燃性などを有しています。また比較的廉価であることと相まって、産業用資材から日用品にいたるまで、幅広く使用されています。
PA-ポリアミド=ナイロン
PA(ポリアミド=ナイロン)は結晶性のエンジニアリングプラスチックです。強靭な材料で摩擦係数が小さく、しかも耐摩耗性で、自己潤滑性に優れています。耐油性、耐薬品性もよいので機械材料に最適な材料でありますが、吸湿性が高いので設計上配慮しなければならないという問題点もあります。
PC-ポリカーボネート
PC(ポリカーボネート)は非晶性のエンジニアリングプラスチックです。抜群の耐衝撃性を有し、機械的特性、電気的特性などをバランスよく備え、かつ透明で自己消化性を示すことから、電気・電子分野から自動車、医療分野にいたるまで、幅広く用いられています。
POM-ポリアセタール
POM(ポリアセタール)は結晶性のエンジニアリングプラスチックです。バランスのとれた機械的性質を有し、かつ優れた耐疲労性、耐クリープ性、摩擦摩耗特性、耐薬品性を備えていることから、金属の代替材として電機・自動車・各種機械・建材などの分野において広く用いられています。
RENY-ガラス繊維強化ポリアミドMXD6
RENY(レニー)はポリアミドMXD6をベースポリマーとし、ガラス繊維50%で強化した結晶性のエンジニアリングプラスチックです。、エンプラの中で最も大きい強度・弾性率を有し、耐油性や耐熱性にも優れることから、金属の代替材料として自動車等輸送機部品、一般機械、精密機械部品、電気・電子機器部品、土木建築用部材などに用いられています。
PPS-ポリフェニレンサルファイド
PPS(ポリフェニレンサルファイド)は結晶性のスーパーエンジニアリングプラスチックです。優れた耐熱性を有し、高温度雰囲気中で長時間使用しても物性劣化はほとんどありません。また、耐薬品性、機械的特性、電気的特性、および寸法安定性にも優れ、電気・電子部品、自動車部品、化学機械部品などに用いられています。
PEEK*-ポリエーテルエーテルケトン
PEEK(ピーク)は半結晶性の最高級性能を有するスーパーエンジニアリングプラスチックです。エンプラのなかでも最高レベルの耐薬品性を有し、 PEEKを溶解する唯一の汎用化学品は濃硫酸だけです。また、耐熱性、耐摩耗性、難燃性、耐加水分解性にも優れ、OA機器分野、自動車分野、ICウェハキャリア、LCD製造用治具などで用いられています。
*PEEKは、Victrex plc.の日本における登録商標です。
